実況動画の防音対策
目指すはー60dB(デシベル)!
ホラーゲームなどの絶叫系の実況を例に、大声でしゃべり続けることを前提にして考えると『80dB~100dB』ほどの騒音を長時間発生させていることになります。
上記の画像を参考にすると『40dB』ほどに抑えられれば『閑静な住宅地』レベルに・・・つまり元々の壁の性能と合わせ『-60dB』ほどの軽減に成功すれば、実況・歌ってみたの防音対策はバッチリと言えるでしょう!
元々の壁の防音性能 + 防音対策 = -60dB が最低限の目標!
楽器演奏可など、防音に特化されたマンションには『-65dB』の壁が採用されていたりします。つまり『-65dB』あれば楽器演奏、『-60dB』あれば実況撮影では苦情が来ないレベルまで対策が出来ているということになります。
※深夜に大声を出したい場合は『‐65dB』は欲しいです。
隣の部屋との壁の厚さを調べる
1人暮らし・実家暮らし、どちらの場合でも『隣の住人への騒音対策』が最も大事になってきます。分譲マンションの場合は壁が分厚いことが多いため安心ですが、壁の薄いアパートなどの場合はしっかりとした対策が必要です。
壁の厚さ120mm:-45dBほど
壁の厚さ150mm:-50dBほど
壁の厚さ200mm:-55dBほど
ワンルームの場合
ワンルームの場合、隣の部屋との間の壁の防音数値は『-30dB』から『-50dB』ほど。
鉄筋コンクリート(RC造)の場合は『-50dB』前後、鉄骨造の場合は『-40dB』ほど、木造の場合は『-30dB』を下回る可能性もあると言われています。
- -25dBの壁:眠れないレベル
- -30dBの壁:騒々しく聞こえる
- -35dBの壁:内容が聞こえる
- -40dBの壁:それなりに聞こえる
- -45dBの壁:なんとなく聞こえる
- -50dBの壁:かすかに聞こえる
- -55dBの壁:ほぼ聞こえない
- -60dBの壁:聞こえない
鉄筋コンクリート>>>>重量鉄骨造>>軽量鉄骨造>>木造
あくまで目安であり、鉄筋コンクリートなのに壁は薄い・・・木造だけど壁は厚い・・・といった感じで物件によって大きく差があったりするため注意が必要です。
鉄筋コンクリートの物件の場合『ラーメン構造』か『壁式構造』かを確認することで、壁が厚いかを判断することが出来ます。
▲部屋の隅に柱上の出っ張りがある場合はラーメン構造。無い場合は壁式構造である可能性が高いです。壁式構造は3階建て以下の建物に用いられます。
結論として『壁式構造』の方が防音性が高いです。
ラーメン構造は柱で建物を支えているのに対し、壁式構造は壁全体で建物を支えている為、必然と『壁に丈夫な素材が使われている』ということになります。鉄筋コンクリート造の物件(3階以下の建物)を見る際は、どちらの構造かをチェックするようにしましょう。
- 1階もしくは最上階に住む
- 角部屋に住む
- 鉄筋コンクリート(RC造)に住む
- 壁式構造の物件に住む
- 2ルームの隣接しない部屋で撮影する
- 隣接している壁に防音対策を行う
引っ越しを検討している場合はしっかりと下調べするよう心掛けたいところです・・・。しかし、物件サイトなどには壁の厚さの表記がどこにもありません。なので不動産業者に情報を開示してもらう・・・それが難しい場合は実際に壁を叩いて確かめてみましょう。
壁がコンコンと重い感じがしたら厚く、軽い音がしたら薄い可能性が高いと言えるでしょう。(確実では無いため、出来れば業者に情報を開示してもらいましょう)
家族がいる場合
家族と暮らしている場合、家族の部屋との防音対策も意識しなければいけません。
ふすまの場合『-5dB』ほど、洋室扉の場合『-8dB』ほどの防音性能・・・。壁も大して分厚くないため、家族との部屋がまあまあ離れていると考えても『60~80dB』ほどの騒音が発生すると考えられるため対策が必要です。
- 隣接している壁に防音対策を行う
- 防音室を購入する
- クローゼットなどを防音室に改造する
大がかりな工事は難しいため、別の部屋まで『90dB→50dB』ほどに落とすのが限界かと思われます…。しかし、それでも簡単な作業で『うっすら聞こえる程度』まで落とすことは可能なため、対策する価値は十分にあります!
防音アイテムで対策を行う
Amazonなどのネットショッピングで購入できる防音アイテムを使い、一般人でも簡単に行える作業で『-10dB』から『-15dB』ほどの防音対策が可能です!
- 遮音シート(5,000円前後)
- 吸音ボード(10,000~50,000円)
- 吸音材(5,000~10,000円)
6畳の部屋の壁一辺に、簡単な作業で防音対策を施したい場合、大体15,000~30,000円ほど・・・高い素材を使った場合は50,000~80,000円ほどの費用が掛かります。
『壁→遮音シート→吸音ボード→吸音材』の順番で設置すると効果的です!
遮音シート
遮音シートは『音を跳ね返す』性能を持っています。
こちらの『サンダム』の遮音シートが定番です。ハサミやカッターでの加工が可能。
これだけでも壁一面に隙間なく貼ることで『-5dB』ほどの効果を期待できます。あまり良い見栄えにはならないため、吸音ボードなどと合わせて使いましょう。
▲こちらの30cm×30cmにカットされているタイプであれば簡単に設置できます。粘着しやすい表面加工がされているため、両面テープで固定しやすくオススメです。
吸音ボード
吸音ボードは『音の伝わりを小さくする』性能を持っています。
防音性能を発揮させるためには、遮音シートを下地に『密度の高い厚い素材』を隙間なく貼り付けることが大事です。そこで重宝されるのが、一般人でも簡単に加工・貼り付け作業が行え、密度も高い『ポリエステルやフェルト素材のボード』という訳です。
上記のような0.9mmほどの薄い物でも、遮音シートと合わせることで『-10dB』近くの防音効果は期待できると思います。更なる効果を得たい場合は、分厚いものを購入するか、重ねて設置するなどの工夫を施しましょう。
吸音材
吸音材は『音の反響を軽減させる』性能を持っています。
部屋中に響き渡る音を抑えることで、結果的に防音へと繋がります。出来るだけ密度の高い物を購入するようにしましょう。
上記のような『密度』がしっかりと表記されているものがオススメです!
ワンルーム賃貸(D-45の壁)の場合、これらの防音対策を施せば『-15dB』ほどがプラスされ、合計『-60dB』となり目標を達成することが可能です!
防音室を購入する
部屋の中にもう一つ部屋を作ってしまおうという発想。8万円ほどのダンボール素材の物から100万円以上する本格的な物まで…今では誰でも簡単に購入することが可能です。
ダンボール素材の防音ルーム
価格:10~15万円
防音:約-20db
広さ:約0.8畳~1.2畳
この商品のみを使用した場合『-15dB』ほどの性能との情報。遮音材などと組み合わせることで『-25dB』ほどに性能アップさせることが可能です。
ワンルーム賃貸(D-40の壁)で考えた場合、防音ルーム(-25dB)+ 壁(-40dB)で『-65dB』ほど軽減されるため、目標の『-60dB』を達成できます!
メリット
- 軽くて組み立て・解体しやすい
- 場所を移動させやすい
- 解体・処分が簡単
- 簡単にカスタマイズ出来る
- 上下の階への防音対策も出来る
デメリット
- 少し狭い
- 夏は蒸し暑い
- 傷つきやすい
本格防音ルーム
画像引用:YAMAHA公式サイト
価格:50~150万円
防音:-35db~-40db
広さ:約0.8畳~3.0畳
楽器用の防音ルームを購入するといった手もあります。1.5畳タイプ(-35dB性能)で言うと、エアコンの設置や、組み立て料金など…込々で120万円ほど。値段こそ張りますが、それ相応の防音性能と快適な室内環境が施されています。
Dr35タイプとDr40タイプがありますが、実況動画や歌ってみたなどの場合はDr35タイプで十分とのこと。Dr35は『-35dB』の効果があるという意味を表しています。
ワンルーム賃貸(D-40の壁)で考えた場合、防音ルーム(-35dB)+ 壁(-40dB)で『-75dB』ほど軽減されるため、目標の『-60dB』を大きく上回ります!
メリット
- 防音性能が非常に高い
- 耐久性が高い
- デザインがしっかりしている
- エアコンや換気口を設置できる
- 0.8畳~4畳ほどから選べる
- 上下の階への防音対策も出来る
デメリット
- 大きくスペースを取る
- 値段が高い
- 解体・組み立てに料金がかかる
- 重量が300~500キロ近くある
- クーラーをつけないと蒸し暑い
- 購入から設置まで2~4週間ほどかかる
- 賃貸だと大家さんや管理会社の許可がいる
- 木造の2階以上には設置できない場合がある
デメリットは、値段が高いこと・エアコンを設置しないと蒸し暑いこと・重量が400kg前後あるので木造住宅の場合2階以上の部屋には設置できない可能性があることです。
YAMAHAのセルフ組み立て防音ルーム
画像引用:YAMAHA公式サイト
価格:40万円
防音:-30db
広さ:約0.8畳
こちらはYAMAHAが販売している『自分で組み立てられる』防音ルームです。防音性能は『-30db』ほど。値段は約40万円。サイズは0.8畳のみ。
先ほど紹介した本格的防音ルームと違い、業者との相談・立ち合いが必要ありません。ダンボールに包装された荷物が数箱届くだけなので、気軽に組み立てることが出来ます。
メリット
- 防音性能がそこそこ高い
- 軽くて組み立て・解体しやすい
- 場所を移動させやすい
- セルフで組み立てられる
- 注文から組み立て完了までが早い
- デザインがしっかりしている
- 換気扇が付いている
デメリット
- 自力で組み立てる必要がある
- 0.8畳の狭いサイズしかない
- クーラーを設置できないので蒸し暑い
クローゼットを防音室に改造
設置場所やスペースの広さなど…それなりの整った環境が必要ですが、クローゼットや押し入れを防音室に改造する…といった荒業もあります。
部屋全体をカスタマイズするのとは違い『少ない費用・少ない材料』で防音対策を行うことが可能なため、環境が整っている方は試してみる価値ありです。
下の階への防音
当然ですが、隣の部屋だけではなく『上下の階』への防音対策も必須です。特に下の階へ対しては、常に密着している様な状態なので、しっかりとした対策が必要です。
下から『遮音シート』『防振マット』『カーペット』の順番で設置できれば効果的。工事などの必要は無く、何もしない状態よりも『約15dB』ほどの防音可能が期待できます。
▲壁と同様、遮音シートを敷き詰めることで防音効果があります。
▲足音の対策とは違い、会話・音楽などの『空気音』を軽減させる防振マット。
▲フローリング床にしたい場合、こういったロールタイプであれば容易に設置できます。
まとめ
- 1階・最上階の角部屋に住む
- 鉄筋コンクリート(RC造)に住む
- 隣接している壁に防音対策を行う
- 深夜や朝方に配信・撮影を行わない
ワンルームの賃貸を基準に、元々の壁『D-40』+ 壁に防音対策『-10dB』+ 簡易防音室『-20dB』を施せば、素人でも『-70dB』の防音性能を発揮することが可能です!
実際は、天井・窓・床・時間帯・声の質・素材の相性など・・・様々な要素が織り交ざるため、このような簡単な足し算にはなりませんが・・・参考にしていただけたら幸いです!